出版バブルについての感想

本好きには見逃せないおもしろ騒動が起こっていますね。

ブックファーストの店長が「池上彰バブル」について語ったブログが
ちょっとした騒ぎを起こしている模様。
http://www.ikkojin.net/blog/blog6/post-2.html
わたしも賛成。



上記ブログ内容の、私の適当要約。問題提起部分のみ。
「売れっ子作者が、出版本数が多く立て続けにだすうちに
内容が雑で薄くなり、それゆえに読者は何をかっても
『また似たような内容』『前より内容が薄くなった』と気づいてしまい
ブームの後半は出版点数が多くなっても売れない状態になりバブルが弾ける」



で、このブログを読んだ、出版バブルと名指しされた面々が
ご自身のブログでコメントを発信するという、
まさにインタラクティブ(死語?)なことがおきてて。おっもしろ〜い。


内田樹氏 http://blog.tatsuru.com/2010/08/13_0928.php


茂木健一郎氏 http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2010/08/post-be9f.html


勝間和代氏 http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2010/08/post-f4b3.html



コメントをしていないのは池上さんだけという事態。
ま、ここまできたら何も言わなくていいとおもうけれども。




ざっと読んだ私の感想。
「ざっと」はやや逃げの姿勢であります。


店長のいう「出版バブル」の問題提起は、
出版数の増加による「品質の低下」であって。
質さえよければ、出版点数はさいあく(読者が迷っても)多いままでいいと思う。


なのに、茂木健一郎勝間和代組は、
「質が落ちてきている」ことへの指摘に答えず(答えようがないか)
「出版点数が増え続けることに自ら歯止めをかけるかどうか」に絞って
答えているなあ。と見えないでもない。


店長の問題提起?に答えているようで答えていないし
でもコメントを出した時点で多くの人は「ちゃんとこたえた。すごい!」となりそう。
そういう意味でも頭のよい人たちであります。


ま、この見方も意地悪いかなと思わないでもないけれど。


いち読者として、途中まで勝間本を買ってたけど内容が段々うすくなって
買うのをやめた身としてはそう思います。


せめて勝間さんには、
「出版点数が多くて中身が薄かろうが、こんだけ本を出しても
私が世に訴えかけたいことはなかなかたくさんの人に届ききらないの! 
だから見ないほうがいいって本にも書いたテレビにも積極的に出ているの!
あんたも一流の本屋の店員ならグダグダいわないでそのへん察して
売り上げアップに貢献しなさい!」
くらいの、ややピントがずれた唯我独尊ぶりで店長を一喝してくれたほうがおもしろいし、
さらに一段上にあがった議論ができそうなの気も。
いえ、思いつきですけど。


あとは、この店長が会社に怒られないことを切に願います。
よく言ったよ店長!
同じ歳の東京の社会人として、川越まではちょっと行けないけど、
これからはなるべくブックファーストで本を買うことを誓います。


以下、脱線するけど茂木さん。


私がこの人の本を読まない理由としては


「脳」という所在というか住所がはっきりしているけど
研究としてはまだ無限の宇宙状態である脳を錦の御旗につかって
かつ、科学者という肩書きを使って説得力を増そうとしているけど
研究しているようには思えない。


っていうひっかかりがあって読めないんだよねー。


菊地成孔さんが茂木さんの所業を評して
「何となく新しく面白そうな(その実、ずいぶん古く、ほとんど面白くない)価値観を、
何にも知らない一般人にプレゼンテーション」
と喝破したときは、おもわず乾杯!だったですよ。


でも、茂木さんが意見を世に発表するのはあくまで自由なのであって
私の思う問題は、
ちゃんとした科学者または学者が彼のいわゆる「脳マジック」?を
ちゃんと糾弾もしくは批判してるかというとそうでもないところが(私が知らないだけかも)、
脳に関する科学者たちの怠慢じゃないの? と思わないでもない。
まあ、ライフサイエンスのレベルで解決できるからってことかもしれないけど。


っていうかたくさんファンがいるだろうし私の勉強不足もあるだろうから
茂木さんについてはこれからもアンタッチャブルでいこうとおもう次第。